徒然MEMO

もともとは読書日記。今はよしなしごとをメモする場として。

NHKスペシャル「メルトダウン 連鎖の真相」7月21日

国会事故調査委員会の報告書でも、東電の報告書でも触れられていない問題が、7月21日放送のNHKスペシャルで指摘されている。


●国内の26ある沸騰水型の原発にいずれも設置されている
「SR弁」の構造上の欠陥の問題

大量の放射性物質を放出するに至った福島第一の2号機。

原子炉圧力容器内に注水をするためには、圧力容器の蒸気を逃がし減圧をする必要がある。
そのためにSR弁(主蒸気逃し安全弁)を開く必要があるが、そのSR弁が開かなくなった。
SR弁があるのは格納容器内。専門家によると、そのときすでに格納容器内の圧力が高まっていたために、その圧力を想定しない構造のSR弁が開かなかった可能性が高いという。

メルトダウンを食い止めるための安全装置が、メルトダウンが進めばかえって使えなくなる。
こうした皮肉な事態が起きることは、専門家たちも、今回の事故が起きるまで気づかなかったと言います」

「専門家が行った2号機のシミュレーションでは、14日午後8時15分、メルトダウンした核燃料が、原子炉(圧力容器)の底を突き破ります。その熱によって格納容器の圧力が上昇。
最後の砦、格納容器が破壊されるという、最悪の事態が現実味を帯びてきました。
建屋が水素爆発するよりも、はるかに深刻な事態が近づいていたのです」


●2号機がベントできなかった原因は、地震による配管の破損?
2号機では、格納容器の気圧を下げるための最後の手段、格納容器ベントができなかった。
空気圧でバルブが開くはずなのにベントができなかったのは、
空気タンクからバルブに空気を送るための配管系が一部損傷しリークがあったためだという可能性も。

地震の揺れは、2号機では、想定されていた最大の揺れを25%上回るものだった。
(東電は地震の影響はなかったと報告)

3月15日朝6時、サブチャン(サプレッションチェンバー=圧力抑制室)圧力が「ゼロ」(大気圧)に。

「ついに格納容器の一部が破壊され、膨大な放射性物質が一気に漏れ出したのではないかと、現場は感じました」


*また、現場では3号機のSR弁を開くための12ボルトのバッテリーを待っていた。しかし、50キロ先の小名浜の備蓄基地まで届いていた1000個ものバッテリーはじめ多量の物資が、そこで足止めされていた。「正門前で毎時250μSv超」という高放射線量の場所に物資を運ぶ“仕組み”がなかったためという。