徒然MEMO

もともとは読書日記。今はよしなしごとをメモする場として。

『ヤクザと原発』の著者、鈴木智彦氏

少し前に、ラジオの聴き逃し配信を聴いていた。

「高橋源一郎の飛ぶ教室」という番組の10月2日放送分である。

ゲストに鈴木智彦という人が来ていた。

カメラマンだったのが、ヤクザ専門誌の編集者を経て編集長となり、その後もヤクザ関連のフリーライターをするという面白い経歴の持ち主。
最近の著書が、『ヤクザときどきピアノ』という。
ピアノを弾き始めたらしい。

この人、以前、福島第一原発で働いた記録、『ヤクザと原発』という本を物したそう。

面白そうなので、その本を読んでみようかなと思った。

 

ところが、先ほど、その本を2012年に読んでいたことが判明した。

ここに書いていたのである。

ただ、内容もこの本の所在も、まったく心当たりがない。

 

当時の読書記録はたったの一行だが、この書きぶりからすると、なかなか面白かったようだ。

 

www.nhk.jp

小砂川チト『ゾンビ回収婦』

小砂川チト『ゾンビ回収婦』。

これもオーディブルで朗読を聴いた。

物語の舞台の大半がVR空間。

といって、異世界転生ものではない。

異世界転生ものとは何か。よくわからないがたぶん。
たぶん、「主人公がトラックにひかれて、気づいたら別世界で生まれかわっており、その世界が自分がかつてプレイしていたゲーム世界だったりする」というような設定のジャンルだと思う。

異世界転生もの以外に、ゲームプレイヤーである主人公が、ゲーム世界で活躍するさまを描く漫画もあるが、本作はそれとも違う。

 

この小説で、主人公の女性はVRゴーグルを着けて、ゲーム世界に没入する。
それは「バイオハザード」を思わせる世界(それ以外のゾンビ系ゲームをよく知らない)。
プレイヤーはグレネードガンなどを使ってゾンビを倒すので、たぶん。

そのゲーム世界で主人公は、NPCの役を担う。って何なんだろう。と考え始めたら、もう読み進めなくなる。
そういうものだと割り切って読むことにする。

しかし、「NPC=ノンプレイヤーキャラクター」なんて言葉、小説で説明なく使っていいのか。

 

そういえば、主人公の名前は出てこなかった。
実在の人物の名前はまったく出てこない。

小説の中でAIやVRを用いてはいるが、どちらかというと、主人公の夢想を体験するような、あるいは作者のサイコセラピーを覗き見しているような。

よりにもよって、今回も絶望的な小説を選んでしまった。よい選択だ。

 

ちなみに、今こうして書いているこの文体も、どこかしらこの作品に影響されているのだろうか。

 

MEMO:アラスカ

 

 

中島敦『李陵』

中島敦『李陵』。

李陵・山月記(新潮文庫)

オーディブルでおすすめされたので、先日、聴いてみた。

たぶん前に『山月記』を聴いたのでおすすめされたのだろう。

『山月記』は高校の国語の教科書に載っていた。
のちに文庫でも『山月記』を何度か読んだはずだ。

『李陵』は今回朗読で初めて聴いたと思ったのだが、読んだことがありそうだ。
というのも、文庫では新潮でも岩波でも『山月記』とセットになっているので。
しかし、内容は完全に忘れていた。

武帝統治下の漢。名将李陵は寡兵を率いて匈奴と戦い、囚われの身となる。

太子令司馬遷は李陵を弁護したことを咎められ、宮刑に処される。

匈奴に篤く遇されるも、やがて一族が刑に処されたことを知り、無念のうちに胡国で果てた李陵。

恥辱と煩悶を振り払うかのように、ただ史記の執筆に傾注した司馬遷。

著者の筆致は例のごとく硬骨で冷徹だが、不幸にしか見えない不器用な彼らの生き方を、たしかに肯定しているように思えた。

 

 

 

夏目漱石『三四郎』

数か月前に読んだ本。

『こころ』だと気分が重くなりそうなので、『三四郎』を再読。

田舎者の「東大生」の前に、先進的な女性が現れる。

特に大きな事件が起こるわけでもなく、何かが解決するわけでもない。
でも、主人公は少し変化しているように思える。

読者としても何かを感じた気がするが、うまく説明できないし、もう忘れた。

 

昔、本郷の東大キャンパスを訪れたことがあるが、ついでに三四郎池を見ておけばよかったと思いながら読んだ。

読後にネットで三四郎池の写真を見たら、興ざめした。

三四郎(新潮文庫)

町田康『俺の文章修行』 

町田康『俺の文章修行』。

町田町蔵のバンド、INUはあまり聴かなかったけど、たぶん町田康の本をこれまでに数冊は読んだと思う。

少なくとも『しらふで生きる』『口訳 古事記』は、読んだり、聴いたりしている。
純粋な小説は読んでいないかもしれない。
でも、何かを読んで忘れている可能性もある。

 

さて、オーディブルにこのエッセイが出てきたので、聴いてみた。

つまらなさそうなテーマだと、高をくくっていたが、とんでもない。

文章の書き方という次元をはるかに超えて、「著者にとっての面白い文学とは何か」を掘り下げて文章化したものだともいえる。

道徳的で寓話のような作品をののしる言葉があったような気がするが、痛快ですらある。

文学だけでなく、音楽、映像、演劇、生き方にも通じる芸術論に、「しかり」と膝を打つ。

 

MEMO:糸くず

俺の文章修行 (幻冬舎単行本)

 

ソロキャンプ40 外で寝るためだけに、わざわざ出かける阿呆

いつものキャンプ場へ。

土日ともに晴れの予報で、道も混んでいたが、キャンプ場もとても混んでいる。

川の対岸まで渡ればどうかと思ったが、橋がなくなっている。
先の大雨で流されてしまったらしい。

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人の少ない場所をあきらめて、駐車場のすぐ隣の広場に陣取る。

ここは野趣にとぼしく、かなり人が多い。
人々を背にして、目の前にはバンガロー。
雰囲気を味わえないのは不本意だが、今回はあきらめよう。
焚き火と炭火焼き、そしてテントで寝ることだけが目的だと割り切ることにする。

お隣と目が合いそうな距離だが、マナーのよい人でほっとする。

遅めの昼食は、また天ぷらうどん。ねぎ、しいたけ入り。

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まもなく日が暮れて、豚スペアリブ、炭火焼き。

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そして、金目鯛の干物とビールとワイン。

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夜は冷えてウルトラライトダウンを着こむ。

いつもより人の話し声がするが、この場所はそんな場所だと割り切れば気にもならない。
そもそもイヤホンで耳を塞ぎ、小説『バリ山行』の朗読、やラジオの配信を聴いている。

松永K三蔵『バリ山行』 - 徒然MEMO

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10時すぎには就寝。夏用の寝袋だと少し冷える。

夜中、誰かが放屁する音が、静かなキャンプサイトにときおり響き渡る。

 

朝ごはんは、たらこパスタとコーヒー。

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デザートに柿を食べて帰る。もう秋なので。

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松永K三蔵『バリ山行』 

『バリ山行』。
あまり調べずに読んだ。
いや、読んだのではなく、オーディブルで聴いた。

文庫で小説を読む前にあとがきを読むという人がいるようだが、先を知りすぎるのはあまり好きではない。

だから、人の評やクチコミはあまり見ずに読み始めることが多い。
帯や文庫カバーの裏表紙部分にあるあらすじは、読むかな。
でも、持ち前の忘却力で、読んだそばから忘れてしまう。

 

この本を手にとった理由 

オーディブルだから手にとってはいないのだが、なぜ選んだかというと、たぶんレコメンドされたからだろう。「リコメンド」だっけ。

おそらく「賞をとった作品」などのリストに挙がっていたのではないか。
たぶん、近年、芥川賞か直木賞をとっていた。

あと、以前から、タイトルが気になっていた。

まず「山行」。最近、少しだけ山歩きに興味があり、年に一度の超ローペースで低山に出かける。

そして、「バリ」。
バリ島のバリ? パリではないよね? いずれにせよ、けったいな登山である。

それくらいの予備知識で読み始めた。

 

人生も「バリ」なのか  

なんと「バリ」はインドネシアの島ではなく、「バリエーション」のことだった。
調べないで読むと、そんなことで驚くことができる。
通常の登山道ではなく、独自に見出した「バリエーションルート」を行く山行を、ここでは「バリ山行」と呼んでいる。

ちなみに、朗読ではわからなかったが、「メガさん」は「妻鹿さん」だった。「女賀」とかかなぁと思っていた。
「波多」も「羽田」あたりかなぁと思っていた。

 

舞台は阪神間。六甲の山。

主人公、波多にとって、会社の先輩である妻鹿さんが、ある意味ではヒーローのような存在となっている。
しかし、妻鹿さんの姿やふるまい、社内での評判、朗読での声も、すべてがかっこ悪い。
昔、『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』というアルバムがあったっけ。

会社の先行きに不安を覚える主人公が、先の見通せない藪漕ぎを繰り返す「バリ山行」にのめりこむ。

やはり、山行も読書も、先行きがわからないほうが面白いような気がする。

もしかすると人生も。だったらいいな。

 

MEMO:メガデス、ハタゴニア、タモンベル

バリ山行