『バリ山行』。
あまり調べずに読んだ。
いや、読んだのではなく、オーディブルで聴いた。
文庫で小説を読む前にあとがきを読むという人がいるようだが、先を知りすぎるのはあまり好きではない。
だから、人の評やクチコミはあまり見ずに読み始めることが多い。
帯や文庫カバーの裏表紙部分にあるあらすじは、読むかな。
でも、持ち前の忘却力で、読んだそばから忘れてしまう。
この本を手にとった理由
オーディブルだから手にとってはいないのだが、なぜ選んだかというと、たぶんレコメンドされたからだろう。「リコメンド」だっけ。
おそらく「賞をとった作品」などのリストに挙がっていたのではないか。
たぶん、近年、芥川賞か直木賞をとっていた。
あと、以前から、タイトルが気になっていた。
まず「山行」。最近、少しだけ山歩きに興味があり、年に一度の超ローペースで低山に出かける。
そして、「バリ」。
バリ島のバリ? パリではないよね? いずれにせよ、けったいな登山である。
それくらいの予備知識で読み始めた。
人生も「バリ」なのか
なんと「バリ」はインドネシアの島ではなく、「バリエーション」のことだった。
調べないで読むと、そんなことで驚くことができる。
通常の登山道ではなく、独自に見出した「バリエーションルート」を行く山行を、ここでは「バリ山行」と呼んでいる。
ちなみに、朗読ではわからなかったが、「メガさん」は「妻鹿さん」だった。「女賀」とかかなぁと思っていた。
「波多」も「羽田」あたりかなぁと思っていた。
舞台は阪神間。六甲の山。
主人公、波多にとって、会社の先輩である妻鹿さんが、ある意味ではヒーローのような存在となっている。
しかし、妻鹿さんの姿やふるまい、社内での評判、朗読での声も、すべてがかっこ悪い。
昔、『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』というアルバムがあったっけ。
会社の先行きに不安を覚える主人公が、先の見通せない藪漕ぎを繰り返す「バリ山行」にのめりこむ。
やはり、山行も読書も、先行きがわからないほうが面白いような気がする。
もしかすると人生も。だったらいいな。
MEMO:メガデス、ハタゴニア、タモンベル
