徒然MEMO

もともとは読書日記。今はよしなしごとをメモする場として。

絲山秋子「薄情」

舞台はまた群馬県市町村合併で大きくなった高崎市
地方の街に住み続ける者、地方の街を出て行く者、地方の街に帰る者、地方の街に移り住む者。

主人公らは、東京から来た男が暮らす「変人工房」に集う。
まるで一人客が集まる飲み屋のようだ。
近所にもそのような店があったけど、先日閉店になった。
その場所でしか会わない人たちとは、当然ながら、その場所がなくなると自然と会わなくなる。
連絡先を知っていてもとくに連絡する理由がない。
もともと誰と待ち合わせをするでもなく、ただ一人で通っていたのだから。

この小説でも車が大事な役割を果たす。自分も長いドライブに出かけたくなる。


『薄情』絲山秋子