徒然MEMO

もともとは読書日記。今はよしなしごとをメモする場として。

コーチェラのboygeniusを観る


The Linda Lindas 

日曜日、普段見ることのないTwitterのトレンドで、「リンダリンダ」だったか珍しい言葉を見かけた。
理由を探ると、The Linda Lindasがコーチェラのステージで、1曲目に『リンダリンダ』のカバーを歌ったようだった。
YouTubeでそれが中継されているらしい。

観てみると、確かに薄暗いステージで4人が演奏している。
リンダリンダ』はいつものように映画『リンダリンダリンダ』で劇中バンドが演奏したバージョンで、もちろん歌は日本語。
それにしても音がひどい。ひどいを通り越して、メインボーカルが聞こえないという惨状。
このバンドは、4人がかわるがわるメインボーカルをとるので、PAがうっかりしすぎて調整が追いついていないのか。
『Talking To Myself』はドラムの妹。
『Growing Up』はギターの姉が歌う。
猫の歌は、ご近所さんのスペイン語を話すギターが歌うし、『リンダリンダ』やラストの『なんとかボーイ』のメインどころは真ん中のいとこが歌う。

今日もギターの姉の動き方が楽しそう。
こんなに音がひどいのに聴いていられるバンドは珍しい。

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Rosalia

メインのステージでラス前に登場したのが、スペイン代表のRosalia。

屈強の男性ダンサーたちを従える、という演出には「またか」と辟易するものの、ともかく歌がうますぎる。
余分に息を吐きながら歌うというかなんというか。
正確なピッチと、上品さと情熱を感じさせるビブラートと、色気のある吐息唱法。

圧巻がピアノ弾き語りの『Hentai』という美しいバラード。
ヘンタイは日本語の変態。

スペイン語圏の人が、米国のフェスで、「ヘンタイ」と歌う。

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boygenius
で、たまたま見たのが、boygeniusという3人組。
スーツ姿の女性3人がギターを弾いている。後ろにドラムとベースがいる。
米国の人らしいが、英国の香りがプンプンする。
ボーカルのハーモニーとギターの絡みあいが絶妙。
声をはらなくても説得力のある音楽。

歌詞はわからないが、ふと想像する。

スコットランドの陰鬱な空の下に広がる氷河に削られた丘陵地の鮮やかな緑。
くすんだ灰色のビルの隙間で、遠くに行きたいと願いながら、ただ通りを見つめる子供たち。

最後の曲はなんという曲だろう。
2人が素晴らしい熱唱を終えて寝転んで抱き合う。もう1人がギターソロを弾きながら2人に重なり、三つ巴状態になる。
どんな曲でもどこかしら静謐さを感じさせながら、確かに情熱的。こんなステージを実現させたら、そりゃあ抱き合うだろう。

とても感動的な光景を目撃した。

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挙げたのは、みんな女性グループばかりじゃないか。
女性とか、英語以外の言葉とか、かつて「ロック代表」でなかったものが今はもっともロックっぽいのだろう。
当然のことといえば当然のことだ。

BLACKPINK

ブラックピンクのことはよく知らなかったが、こういうフェスで、メインステージのトリをつとめる存在だったとは。
タイ出身のLALISA(リサ)という人が人気があるらしい。確かに手足の長さと細さが尋常ではない。
こういうグループの「ダンサー」って何なんだと思っていたが、BLACKPINKの最大の特徴はこのリサというダンサーだとわかった。

いまどきの音を聴くと「音頭」のリズムを感じることがある。