2008-02-10 山本一力 「だいこん」 本 光文社文庫。 山本一力らしい、江戸の商人・職人たちの世界を描いた小説。 一膳飯屋の若き女将「かえで」が主人公。 台風、火事などの災害への対処を含めて、江戸の下町の空気は伝わるものの、やや冗長だった。 主人公自身や、主人公の父「安次」の行く末など、気になる部分が最後に落ち着かないのが残念。 でも、一気に読み進めさせる技量はさすが。 働く上での心得と、いかんともしがたいが続いていく家族関係。過去にこだわらずすっぱり捨てる潔さと、真面目にこつこつ生きる姿勢。山本節は健在なり。