いちばんの代替案は「まず原発を止めること」です。「代替案がなければ止められない」というのは、沈没しかけた船に乗っているのに「代替案がなければ逃げられない」と言っているようなものです。(p170)
今回の地震と津波で、原発が止まって電力不足になったような印象がありますが、実は違います。火力発電所が被害を受けたことが大きな理由です。
それでは、原子力発電所を全部止めてみたとしましょう。ところが、何も困りません。壊れていた火力発電所が復旧し、その稼働率を7割まで上げたとすれば、十分それで間に合ってしまいます。原子力を止めたとしても、火力発電所の3割をまだ止めておけるほどの余力があるのです。(p170)